固定費削減~「死亡リスク」の公的サポートを把握して、生命保険を見直そう
大黒柱の突然の不幸に対し、どれぐらいの生命保険(支給額)があれば安心なのか。漠然とした不安を無くすためにも、公的サポートを把握して、自分に合った生命保険を見つけよう。
1 大黒柱が亡くなった時は遺族年金が支給される
遺族年金には2種類あり
① 遺族基礎年金(自営業やフリーランスは①だけ)
② 遺族厚生年金(会社員なら①+②)
を受給することができる。
2 遺族年金は結局いくらもらえるのか
受給額の計算は
① 遺族基礎年金~78万1700円+子の加算
② 遺族厚生年金~平均標準報酬額によって決ま
る。
(4月~6月分の給料の平均額。つまり給料が高いほど遺族厚生年金が高くなる)
子の加算 第1子、第2子は各22万4900円、第3子以降は各7万5000円
パターン別の早見表を作成したので、参考にしてください。
会社員・公務員にあっては、平均標準報酬月額ごとに縦に閲覧ください。
夫が自営業の遺族基礎年金の月額 | ||||
---|---|---|---|---|
<子どものいる妻> | ||||
子3人 | 約10.9万円 | |||
子2人 | 約10.3万円 | |||
子1人 | 約8.4万円 | |||
<子どものいない妻> | ||||
なし | ||||
夫が会社員・公務員の遺族基礎年金+遺族厚生年金の月額 |
||||
平均標準報酬月額(4月~6月の平均給料) | ||||
25万円 | 35万円 | 45万円 | ||
<子どもがいる妻> | ||||
子ども3人 | ||||
約14.2 | 約15.6万円 | 約16.9万円 | ||
子ども2人 | ||||
約13.6万円 | 約14.9万円 | 約16.3万円 | ||
子ども1人 | ||||
約11.7万円 | 約13.1万円 | 約14.4万円 | ||
平均標準報酬月額(4月~6月の平均給料) |
||||
25万円 | 35万円 | 45万円 | ||
<子どもがいない妻> | ||||
妻が40歳未満(遺族厚生年金) | ||||
約3.3万円 | 約4.4万円 | 約6.0万円 | ||
妻が40~64歳(遺族厚生年金+中恒例寡婦加算) | ||||
約8.2万円 | 約9.6万円 | 約10.9万円 | ||
妻が65歳以降(遺族厚生年金+妻の老齢基礎年金) | ||||
約9.9万円 | 約11.2万円 | 約12.5万円 |
寡婦年金とは
自営業世帯の遺族である妻に18歳未満の子どもがいない場合には、遺族基礎年金は支給されません。しかし、遺族基礎年金をもらえない60歳未満の妻で、結婚生活が10年以上続いた人は条件を満たせば寡婦年金が受け取れます。(夫が老齢基礎年金を受け取っていないことが条件)夫が生きていた場合に貰えるはずだった老齢基礎年金の4分の3の額です。
3 生命保険でカバーすべきポイント
(1)住宅費
持ち家があり団信に加入していれば、残支払
いが免除される。
(2)生活費
大黒柱がいなくなった分、生活費は7割くら
いになる。
(3)子どもの教育費
オール国公立の学費だけで800万円くら
い。
塾代等を含めると一人2000万円ほどになります。
一人卒業するたびに必要な教育費は減っていくので、卒業毎に保険を見直してみましょう。 (4)葬式・お墓の費用
一般的には葬式・お墓代で約450万円にな
りますが、代々のお墓があり、お葬式の規模・
種類によっては出費を抑えることもできます。
4 母子家庭の支援制度の活用
生活費・教育
「児童扶養手当」「児童手当」「児童育成手当」
住宅費
「住宅手当」
他に受けられる補助や免除
「健康保険料の軽減・免除」 「医療費助成」
「公共料金の割引」 「保育料の減額」
等の多様な支援がありますので、役所で確認してみましょう。
余談ですが、
離婚等で別れた場合に養育費を受け取っていない場合は、裁判所を通しての強制執
行も可能です。
① 電話やメールで督促
② 督促事実が証明できる「内容証明郵便」を送る
③ 家庭裁判所から「養育費を払いなさい」という履行勧告や履行命令を出しても
らう
④ 最終手段「強制執行」による給与の差し押さえ
があります。
費用や手間はかかりますが、継続的に養育費を受け取れれば、経済的には大きなプラスになるでしょう。
また、養育費保証というサービスもあります。
このサービスのメリットは
① 未払いが発生した翌月に保証会社が立て替えてくれる
② 未払いが発生しても当事者間での連絡は不要(保証会社が相手に請求に行ってくれる)
5 まとめ
漠然とした不安を解消するためにも、
・公的なサポートを確認(遺族年金等の保証額)
・ご自分の加入している保険内容の確認
を行うことで、大黒柱の急逝に対しての不安を少しでも解消したうえで、日々の生活費を節約できればと思います。